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白壁荘だより 天城百話

湯ヶ島のバイブル   川端康成「伊豆の旅」

 
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川端康成の「伊豆の旅」が、昨年(平成27年)の11月に中公文庫から表紙が新しくなって発売された。惜しまれながらも絶版となっていたものを、湯本館の主人土屋晃君が各方面に働きかけをし、努力が実り5,000部限定で復刊となった。この本は伊豆を舞台にした「伊豆の踊子」や「伊豆の帰り」などの小説七編と、「伊豆序説」「湯ヶ島温泉」「温泉女景色」「伊豆の思い出」など随筆十八編を集めたもの。一地域を舞台にした小説と随筆が、一緒に収まった本というのは大変珍しいのではないかと思う。伊豆や、湯ヶ島のことが詳しく書かれていて、その当時を知る貴重な資料にもなっている。「伊豆の思い出」では,「伊豆の踊子」を書いた理由や梶井基次郎のことなどにも触れていて興味深い。大正時代に描かれたものを、読み返してみると美しい文章と共に伊豆の風景が浮かんでくる。
 
by shirakabes | 2016-04-03 23:22 | お知らせ